建設業許可と経営計画を共に考える

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建設業許可

経営不振

何らかの理由から経営が悪化する可能性があります。経営不振になってからの対応でお客様のところにお伺いする事もありますが、経営に悪化の兆候が出た段階でご相談いただけると、打つ手が多くなり対応策も変わります。特にコロナ禍では建設業者さまに限らず、様々な会社が大きく影響を受けたのではないでしょうか。

はじめに考える事

まずは何と言っても現状の把握です。出来るだけ正確に現状を把握します。日繰りの資金帳などを作成しているところは少ないと思いますので、自分の事業が月間どのくらいの費用がかかるか分からない場合は税理士さんに聞いてみるのも良いでしょう。月間の固定費としてどの位かかっているのか、運転資金としてはいくら必要なのか、買掛金と売掛金の内容、現段階での口座残高などを正確に出していきます。在庫を抱える必要があるのか、仕入れを必要とするのか、など事業の形態により考える事は変わってきます。

経営が悪化して焦っている状態では、正しい経営判断が取れない場合もあるので誰かに相談するだけでも落ち着きます。現状整理の精密度が高いほど、いつまでに何をするのかの解決策が出やすくなります。

資金繰りの改善と資金調達

現状の整理が出来たら、資金繰りを考えます。極端に言えば会社の経営は以下の図の様に資金さえあれば継続することができます。

借り入れは多ければ返済計画やリスク対策などが必要になりますが、資金がある以上、倒産することはなくなります。資金が不足したが故に、持ち直しできた可能性がある事業の未来が潰れてしまいます。

資金調達に関しては、直ぐに取り掛かる必要があります。例えば金融機関へ相談し審査が通り実行するまでに時間を要するからです。また、経営が悪化すればするほど融資を受ける事は難しくなる傾向にありますので早い段階での行動がポイントとなります。他には支給できる給付金や制度がないかを検討します。国の制度や融資、各都道府県の融資制度、市町村の融資制度など分けて分析します。市によっては専門家による無料相談をしているところもあります。会社の現状に状態にあった給付金や、受ける事ができる制度を横断的に知ることができます。また、国の給付金などの制度に上乗せして受ける事ができる資金もありますので調査が必要となります。活用できる助成金などがないか、税理士、社労士などに聞いてみることもできます。

改善策と実行

改善策を考える際にはまずは出来るだけ思いつく事をノートなどに書き出してみます。どんな些細なことでも良いので思いつく限りの案を全て出します。その後に出た案を『短期的』『中長期的』に分けて優先順位を付けます。短期的にできること直ぐに実行します。場合によっては利益率が自社にとって割に合わない仕事をしても、一時的に延命できるようであれば、その選択肢も視野に入れます。

短期的

融資・給付金

資金繰りが一番の問題となることが多いので、最優先事項となる事が多いでしょう。条件となることもあるので、現在借入を受けている場合は信用保証協会付の融資なのかを調査しておくことも有力です。融資や給付金を検討する場合は、『国』『県』『市』毎に分けて考え、それぞれの相談窓口を活用します。

支払いを遅らせる

これはさらに『公的な支払い』と『それ以外の支払い』にわける事ができます。公的な支払いには、税や社会保険の支払いの猶予が制度としてありますので年金事務所などに相談します。カードの締日と引落し日を正確に把握して、締日を越して購入できるものは購入し、次回の支払い回します。購入した店の決済システムの処理の都合により多少ズレることもあるので、なるべく余裕を持ちたいです。また、締め日は土日祝は関係ありませんが、支払日(実際に口座より引き落としとなる日)は土日祝日により影響がありますので、きちんとした理解が必要です。

入金を前払いにする

公共工事などを入札で獲った場合、前金として何割かを先に貰える場合がありますが、民間はそうは行きません。現在請け負っている仕事の工期が長い場合は出来高払いに変更できないか発注先に相談してみたり、一時的にマッチングサイトなどで日当制で支払いの早い仕事をすることも考えられます。設計や着手の段階で、一部前金を貰い、正式な発注金額に充当する方法もあります。

資産の売却

単純に持っている資産を売却します、家族経営の法人の場合、社長の個人の資産を売却して法人に貸し付ける事で一時的に会社に資金を増やすこともできます。

中長期的

小規模工事登録

本店の所在地の市町村へ小規模工事の登録をかけます。ほとんどの自治体が100万円以下の工事の案件が対象となります。登録しておくと、小規模な工事の案件が出た場合に登録している内の何社かに声がかかり、それぞれの会社が入札に参加する制度です。公共工事に参入している業者さんは申し込むことができません。待の営業ですが、元請の倒産や支払い遅延の心配はありません。

発注者のバランス

1社のみからの受注に頼る場合のメリット・デメリット、複数社にする場合、自社が元請となる工事を受注する場合、またはその両方から仕事を受ける場合等、様々なケースがあります。会社としてその内容の仕事が馴染むのかなども要素としてあります。新たな元請や協力会社を探す営業方法も複数ありますので、どのようにアプローチするかを計画します。

建設キャリアアップシステムへの登録

既に発注者によっては建設キャリアアップシステムに登録している業者さんでないと、現場に入れないなどの規制があります。早い段階での登録が、後の仕事の獲得につながります。

複数の許可業種の取得

単純に工事を請負う幅が広くなります。公共工事の場合、各自治体によっては29種類の業種の認識に差があり、持っている許可業種では入札に参加できないことも考えられますので、複数業種があると有利に働きます。

建設業関連許可の取得

産業廃棄物収集運搬業や各登録が必要なもの講習受講が必要なものは、先に取得しておくと万全でしょう。すべてに共通しますが、申請から許可・登録となるまでには時間がかかります、許可によっては何カ月もかかるものがあります。済ませておかなかったので失注してしまうことは非常に残念ですので可能性のあるものは先に着手した方が会社の将来につながります。

その他の案

経営悪化に陥ると、『経費削減(人員)』や『固定費削減』を真っ先に挙げる場合もありますが、その会社がどのように利益を生み出しているのかを検証してみないと本当に経費削減が正しいのかは分かりません。損益計算書や財務諸表はひとつの判断材料にこそなりますが、一定期間の短期的な成績と今までの積み上げてきたものを、ある時点での結果として数字で見ているものという認識です。

例えば会社の売上が10%落ちたとしても、何を要因としての10%低下かによって、利益が残る場合もあれば赤字になる場合もあります。そればPLやBSの数字だけでは分かりません。その要因を付きとめることで解決策が変わってきます。場合によっては売上をあえて落とす事で、利益率を上げる事ができて、その利益率がその会社にとって最も良い状態という事もあります。単純に原価を下げて粗利を残すということではありません。原価を下げる場合、取引先やお客さまに影響が出る事が多く、結果として自社に不利益となり返ってくることがあります。反対に固定費を上げて、原価を上げて商品自体を比較されないものやサービスにして売上単価を上げ、結果的に利益率を上げる会社もあります。

他には現在のお金の置き所(貸借対照表)が自社にとってバランスの取れた状態かも考えなければなりません。例えば固定資産が固定負債+純資産より多い場合、短期的な資金を固定資産に充てている可能性があり手元の資金が不足するなどが考えられます。自社工場を持っているかや、固定資産の内容にもよりますが自社に適正なバランスを検討するとより効果的かもしれません。

ここからは感覚的なもので明確な根拠はありませんが、決算書よりも中小零細企業の社長の肌感覚の方が『儲け』に関しては感度が高いと感じております。長期的な視点で経営計画を考えることは難しく、目の前に起こっている仕事で手一杯になります。しかし最終的に向かう方向性の精度が高ければ高いほどに、今やる事が明確になり実現力も高まります。

 

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